薔薇が咲いてた
車で少々行ったところに広大な公園があり、
バラが見ごろを迎えているという。
とにかくどこかに行きたくて、出発した。
そこそこ咲いていたバラは、いろんな形があり、
匂いも「バラ!!」と主張しているものもあれば、
植物の青臭い匂いしかしないものもある。
もともとバラに興味があったわけではないが、
それなりに、楽しんだ。
家族写真を撮る。
ベビーカーを押して公園を散策する。
ときにははしゃぐ娘に声をかける。
わたしは元来結婚願望がなく、
よき家族像に対しては、なんとなく背筋がぞっとしてしまい、
どちらかというと嫌悪感がある。
だが、今のこの状況は、まぎれもなくわたしがぞっとしてきた
ハッピーな家族そのものである気がして、おどろいた。
「こんな自分じゃだめなのでは?」
と、思ってしまう自分もいたが、この変化をありがたく受け入れるのも、
悪くないのではと思えた。
偏屈で意地が悪くて自己中心的なわたしが結婚できたのは、
まぎれもなくこの人のおかげである。
子どもが苦手で、近寄ってほしくなくて仕方なかったわたしが子まで持てたのも、
この人のおかげである。
恩をすぐ忘れるわたしなので、
こうして書き留めておかなくては。と、思う。
わたしのなかに何かが咲いたような気がした日だった。